2021年9月24日金曜日

くんぺいさんと私

  大学生の頃けっこうアマチュア無線にはまっていた。絵本作家でもあり童話作家でもあった東 君平さんの作品に出会ったことにアマチュア無線が関係している。無線で知り合った女の子がいたのですが、彼女と意気投合して、夜な夜な話をしていた時期がありました。声しかしらない人でしたが、いろんな話をしていた時に絵本が好きでという話にあり、こんな本があるよと教えてもらったのがくんぺいさんの本達でした。

 書店に行っては絵本だったりショートショートの童話だったりを買いあさりすっかり虜になってしまいました。その頃からずっとファンだったのですが、時が過ぎて話す相手もいなくなりそのまま過ぎて行った青春時代。私が新井薬師に引っ越してしばらくすると新しい喫茶店がオープンして、毎日のように通っていました。そこの常連さんと仲良くなりあれこれと話すうちに、「こんな人知ってる?」と聞かれ、そこにでた名前が東君平さんでした。なんと君平さんのお家は新井薬師にあって、けっこう近所に住んでた事にその時不思議な縁をかんじた事を覚えています。その時は残念ながら君平さんは若くして亡くなられていたのですが、ずっと憧れていた人がこんな近くに住んでたんだと思うとなにか不思議な感覚です。

 君平さんには二人のお嬢さんがいらっしゃいました。本の中の一冊に、お嬢さん達と西表島に行った時の紀行があります。童話ではありませんがその本も大学生の時に面白く読ませていただい記憶があります。長女の菜奈さんのお名前も記憶していたのですが、奥様にあった頃娘も絵を書いていると言うお話をさせていただき、私の楽譜集の表紙をお願いしたことがあります。度々個展にも行かせていただき、それからは菜奈さんとも仲良くさせていただいていて、西表島に行った菜奈さんとお知り合いになれた事にも不思議な感覚を感じます。

 その後、奥様がくんぺいさんのために小渕沢に「くんぺい童話館」というのを開設されてここにくんぺいさんの作品が集められています。私もけっこう本を持っていたのですがもちろん知らない本もたくさんあり、何度か行かせていただいてさらにファンになってしまいました。菜奈さんが結婚された方は「スーパーエキセントリックシアター」の立ち上げメンバーでもある役者の方でCMなどでもお見かけする、田上ひろしさんという役者さんです。菜奈さんから頼まれてシャズの歌を勉強したいということで、音大時代の友達を紹介したりしてその縁でまた仲良くなりました。

 今回こんな話をさせていただいたのは、田上さんといっしょに君平さんの作品を残そうというプロジェクトにお手伝いさせていただく機会を得たからです。大学時代にファンだった君平さんの作品に関われる事に喜びを感じています。その第一弾「ひるね」という作品が出来上がりました。ほのぼのとした内容です。音関係を担当させていただいてお手伝いしました。ほのぼのできるくんぺい作品を皆さんに是非ご覧いただきたいと思っています。

東君平作 おはようどうわ より 「ひるね」ナレーション 田上ひろし




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